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7ARTSの解決策 解決策3

なぜ「値決め君」をつくったのか

7ARTSの解決策・第3回。値段で迷う作家のために、値段の目安と理由を出す「値決め君」をつくった理由をお話しします。

明るいアトリエに、値札のない作品が並ぶ

値段を、なんとなく決めていませんか

新しい作品ができるたびに、値段で迷う。前の作品と同じくらいにしておこうか。高すぎて売れなかったら、どうしよう。

迷った末に、周りの作家の値段を見て、少し安めにつけてしまう。作家の方から、よく聞く話です。

けれど、値段の理由を聞かれたとき、うまく答えられない。値下げを頼まれても、断る言葉が見つからない。

ここで、ひとつ考えてみてください。その値段は、誰かに説明できる値段でしょうか。

値段は、作品の価値を伝える言葉の1つです。理由のない値段は、作品を守ってくれません。

値段を聞かれるたびに、作品より値段のことで頭がいっぱいになる。そんな状態では、作品の良さを伝えることもできません。

展示の会場で「これはいくらですか」と聞かれたことはありませんか。とっさに答えた値段を、あとで後悔したことは。値段の迷いは、作品の自信まで揺らしてしまいます。

値段は、
作品の価値を伝える言葉。

あなたは、今の作品の値段を、どうやって決めましたか。

理由のない値段のままだと、どうなるか

値段を決める場面の難しさは、作家に限りません。仕事を受けるフリーランスへの、国の調査があります。

決めた値段の外で求められたことのグラフ。報酬以外にお金や作業の提供を求められた41.8%、やり直しの費用を負担してもらえなかった21.1%、受け取りを拒まれた20.1%

報酬のほかに、お金や作業の提供を求められたことがある人は、41.8%にのぼりました。やり直しの費用を負担してもらえなかった人も、21.1%います。

決めた値段の外で、負担が増えていくのです。値段の理由を持たないままだと、こうした頼みも断りにくくなります。

一度安くつけた値段は、次の作品の基準になります。材料が高くなっても、値段を上げる理由が見つかりません。

描けば描くほど、手元に残るお金が減っていく。それでは、作品を作り続ける力が弱っていきます。

値段を下げれば売れると思いがちです。けれど、安すぎる値段は、作品の価値まで低く見せてしまうことがあります。買う人は、値段からも作品を判断しているのです。

反対に、理由なく高くつければ、迷っている人の背中を押せません。高くても安くても、理由がないことがいちばんの問題なのです。

理由のない値段は、
流されやすい。

なぜ「値決め君」をつくったのか

明るいアトリエの机で、作品の大きさを測る手元
大きさや技法から、値段を考える(イメージ)

7ARTSは、作家が創作活動に専念できる未来をつくりたいと考えています。そのために、作品づくり以外の手間を減らす道具を、惜しみなく用意してきました。

値段を決めることは、多くの作家が迷うところです。新しい売り先のひらき方と同じように、苦手な方が多いと感じています。

そこで、値段の目安を、理由と一緒に出す道具をつくりました。それが「値決め君」です。

技法、大きさ、これまでの実績。値決め君は、そうした情報から、値段の目安と、その理由を出します。

大切なのは、最後に決めるのは作家だということです。値決め君は、迷ったときの物差しです。作家の代わりに値段を決めるものではありません。

作家が値段の話し合いに時間を使うほど、描く時間は減っていきます。迷う時間を短くして、その分を作品に戻してほしい。それが、値決め君に込めた願いです。

目安があるだけで、値段の話し合いは落ち着いて進められます。買う人に説明する言葉も、自然と出てくるようになります。

値段の目安は道具が出す。
最後に決めるのは、作家。

数字で答え合わせ:理由を言える値段は、守ってくれる

「値段の理由が言えないから、値段で迷う」。この感覚を、確かめようとしました。

けれど、作家が値段をどうやって決めているかを調べた全国の調査は、見つかりませんでした。数字が無いので、ここでは作りません。

言えるのは、先ほどの調査のとおり、決めた値段の外で負担を求められる人が多いということです。値段の理由を言えないことも、その一因かもしれません。

この感覚は、一部当たりです。値段の外の負担に悩む人が多いことは、数字で確かめられました。ただ、値段の理由を持つと売れ方がどう変わるかまでは、分かりません。

それでも、理由のある値段は、作家自身を守ります。値下げを頼まれたときも、「この大きさで、この技法なので」と落ち着いて話せます。買う人にとっても、値段の理由が分かれば、安心して選べます。

値段を十分に話し合えていない人が、7割近くいます。それだけ多くの人が、値段の理由を持たないまま、仕事をしているのかもしれません。

理由のある値段は、
作家も買う人も守る。

値決め君で、できること

明るい部屋で、ノートパソコンの画面を見ながら作品の前に座る人の後ろ姿
値段の目安と理由を、画面で確かめる(イメージ)

値決め君は、7ARTSに登録した作家が使えます。作品の技法や大きさ、これまでの実績を入れると、値段の目安と理由が出てきます。

出てきた理由は、そのまま、買う人への説明にも使えます。「なぜこの値段なのか」を、作家の言葉で伝える手がかりになります。

同じ大きさの作品は、同じ考え方で値段をそろえる。大作には、かけた時間の分だけ理由を添える。値決め君の目安があれば、作品が並んだときの値段にも筋が通ります。

ただ、目安はあくまで目安です。作品に込めた思いや、これからの活動の考えも合わせて、最後は作家自身が決めてください。

税金やお金の計画のことは、税理士など専門家に相談してください。値決め君は、値段を考える手がかりの道具です。

値決め君の目安と自分の値段が大きく離れていたら、それは見直すきっかけです。高すぎるのか、安すぎるのか。理由を確かめることで、値段に自信が持てるようになります。

値段に自信が持てると、作品を見せるときの言葉も変わります。堂々と作品をすすめられるようになることも、値決め君の大きな役目です。

迷ったときの物差しを、
手元に1つ。

今日、ひとつだけやってみてください

今日、作家がやることの流れの表。いちばん新しい作品を1点選ぶ、値段の理由を3つ書く、値決め君の目安と比べてみる
今日、作家がやること

いちばん新しい作品を、1点選んでください。値段で迷った作品なら、なお良いです。

その作品の値段の理由を、3つ書き出してみます。大きさ、技法、かけた時間。思いつくものでかまいません。

最後に、値決め君の目安と比べてみてください。理由が書けたら、その値段は、誰かに説明できる値段です。

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理由を書いてみると、思っていたより安くつけていたことに気づくかもしれません。それも、大切な気づきです。書いた理由は、作品ページの説明にも、そのまま使えます。

出典

  • 7ARTSの機能の説明:7ARTS「作家の方へ」(https://www.7arts.jp/for-artists)
  • フリーランスの取引:公正取引委員会・厚生労働省「フリーランス取引の状況についての実態調査(法施行前の状況調査)結果 概要」(2024年10月)