
値段を、なんとなく決めていませんか
新しい作品ができるたびに、値段で迷う。前の作品と同じくらいにしておこうか。高すぎて売れなかったら、どうしよう。
迷った末に、周りの作家の値段を見て、少し安めにつけてしまう。作家の方から、よく聞く話です。
けれど、値段の理由を聞かれたとき、うまく答えられない。値下げを頼まれても、断る言葉が見つからない。
ここで、ひとつ考えてみてください。その値段は、誰かに説明できる値段でしょうか。
値段は、作品の価値を伝える言葉の1つです。理由のない値段は、作品を守ってくれません。
値段を聞かれるたびに、作品より値段のことで頭がいっぱいになる。そんな状態では、作品の良さを伝えることもできません。
展示の会場で「これはいくらですか」と聞かれたことはありませんか。とっさに答えた値段を、あとで後悔したことは。値段の迷いは、作品の自信まで揺らしてしまいます。
値段は、
作品の価値を伝える言葉。
あなたは、今の作品の値段を、どうやって決めましたか。
理由のない値段のままだと、どうなるか
値段を決める場面の難しさは、作家に限りません。仕事を受けるフリーランスへの、国の調査があります。

報酬のほかに、お金や作業の提供を求められたことがある人は、41.8%にのぼりました。やり直しの費用を負担してもらえなかった人も、21.1%います。
決めた値段の外で、負担が増えていくのです。値段の理由を持たないままだと、こうした頼みも断りにくくなります。
一度安くつけた値段は、次の作品の基準になります。材料が高くなっても、値段を上げる理由が見つかりません。
描けば描くほど、手元に残るお金が減っていく。それでは、作品を作り続ける力が弱っていきます。
値段を下げれば売れると思いがちです。けれど、安すぎる値段は、作品の価値まで低く見せてしまうことがあります。買う人は、値段からも作品を判断しているのです。
反対に、理由なく高くつければ、迷っている人の背中を押せません。高くても安くても、理由がないことがいちばんの問題なのです。
理由のない値段は、
流されやすい。
なぜ「値決め君」をつくったのか

7ARTSは、作家が創作活動に専念できる未来をつくりたいと考えています。そのために、作品づくり以外の手間を減らす道具を、惜しみなく用意してきました。
値段を決めることは、多くの作家が迷うところです。新しい売り先のひらき方と同じように、苦手な方が多いと感じています。
そこで、値段の目安を、理由と一緒に出す道具をつくりました。それが「値決め君」です。
技法、大きさ、これまでの実績。値決め君は、そうした情報から、値段の目安と、その理由を出します。
大切なのは、最後に決めるのは作家だということです。値決め君は、迷ったときの物差しです。作家の代わりに値段を決めるものではありません。
作家が値段の話し合いに時間を使うほど、描く時間は減っていきます。迷う時間を短くして、その分を作品に戻してほしい。それが、値決め君に込めた願いです。
目安があるだけで、値段の話し合いは落ち着いて進められます。買う人に説明する言葉も、自然と出てくるようになります。
値段の目安は道具が出す。
最後に決めるのは、作家。
数字で答え合わせ:理由を言える値段は、守ってくれる
「値段の理由が言えないから、値段で迷う」。この感覚を、確かめようとしました。
けれど、作家が値段をどうやって決めているかを調べた全国の調査は、見つかりませんでした。数字が無いので、ここでは作りません。
言えるのは、先ほどの調査のとおり、決めた値段の外で負担を求められる人が多いということです。値段の理由を言えないことも、その一因かもしれません。
この感覚は、一部当たりです。値段の外の負担に悩む人が多いことは、数字で確かめられました。ただ、値段の理由を持つと売れ方がどう変わるかまでは、分かりません。
それでも、理由のある値段は、作家自身を守ります。値下げを頼まれたときも、「この大きさで、この技法なので」と落ち着いて話せます。買う人にとっても、値段の理由が分かれば、安心して選べます。
値段を十分に話し合えていない人が、7割近くいます。それだけ多くの人が、値段の理由を持たないまま、仕事をしているのかもしれません。
理由のある値段は、
作家も買う人も守る。
値決め君で、できること

値決め君は、7ARTSに登録した作家が使えます。作品の技法や大きさ、これまでの実績を入れると、値段の目安と理由が出てきます。
出てきた理由は、そのまま、買う人への説明にも使えます。「なぜこの値段なのか」を、作家の言葉で伝える手がかりになります。
同じ大きさの作品は、同じ考え方で値段をそろえる。大作には、かけた時間の分だけ理由を添える。値決め君の目安があれば、作品が並んだときの値段にも筋が通ります。
ただ、目安はあくまで目安です。作品に込めた思いや、これからの活動の考えも合わせて、最後は作家自身が決めてください。
税金やお金の計画のことは、税理士など専門家に相談してください。値決め君は、値段を考える手がかりの道具です。
値決め君の目安と自分の値段が大きく離れていたら、それは見直すきっかけです。高すぎるのか、安すぎるのか。理由を確かめることで、値段に自信が持てるようになります。
値段に自信が持てると、作品を見せるときの言葉も変わります。堂々と作品をすすめられるようになることも、値決め君の大きな役目です。
迷ったときの物差しを、
手元に1つ。
今日、ひとつだけやってみてください

いちばん新しい作品を、1点選んでください。値段で迷った作品なら、なお良いです。
その作品の値段の理由を、3つ書き出してみます。大きさ、技法、かけた時間。思いつくものでかまいません。
最後に、値決め君の目安と比べてみてください。理由が書けたら、その値段は、誰かに説明できる値段です。
作品と新しい人が出会う場所を、一緒につくりませんか。7ARTSに作家として登録する
理由を書いてみると、思っていたより安くつけていたことに気づくかもしれません。それも、大切な気づきです。書いた理由は、作品ページの説明にも、そのまま使えます。
出典
- 7ARTSの機能の説明:7ARTS「作家の方へ」(https://www.7arts.jp/for-artists)
- フリーランスの取引:公正取引委員会・厚生労働省「フリーランス取引の状況についての実態調査(法施行前の状況調査)結果 概要」(2024年10月)



