
こんな悩みはありませんか
「バイトや本業で、描く・作る時間がなくなっていく」
暮らしのために働く。帰ってきたら、もう筆を握る力が残っていない。
休みの日は、たまった家事や連絡で終わる。気がつけば、いちばん大切なはずの制作が、いつも最後に回っている。
描きたいものは頭の中にあるのに、手を動かせない。その焦りが、仕事の最中にもふと胸をよぎる。
生活と制作の両立は、多くの作家が通る道です。だからこそ、なんとなく過ごしていると、時間は静かに消えていきます。
ここで、ひとつ考えてみてください。作る時間は、本当に「無い」のでしょうか。それとも「後回し」なのでしょうか。
どちらなのかで、打つ手はまったく変わります。無いなら増やす方法を、後回しなら順番を変える方法を考えることになります。
制作は、
いつも最後の席にいる。
あなたは、この1週間で何時間、作品に向き合えましたか。
このままだと、どうなるか
調べたことを、先にお伝えします。働きながら制作する作家の時間を調べた、全国の調査は見つかりませんでした。数字が無いので、ここでは作りません。
一方で、芸術家の働き方を調べた報告書があります。2019年と比べた仕事の量を、芸術家に聞いたものです。
自分から進んで行う芸術の仕事は、「減った」が「増えた」より10.7ポイント多くなっていました。
反対に、芸術以外の仕事は「増えた」が6.2ポイント多くなっています。
生活のための仕事が増え、自分の作品の時間が減っていく。多くの作家が、同じ流れの中にいることが分かります。
材料を節約しようと、小さな作品ばかりになる。描きたい大きさを諦める。時間とお金の両方に押されて、作品の幅まで狭まっていきます。
作る時間が減ると、作品の数も減ります。作品が少なければ、見てもらう機会も、売れる機会も減る。収入が足りず、また働く時間を増やす。
腕を磨く機会も減ります。久しぶりに筆を握ったとき、思うように描けず、さらに足が遠のく。そんな流れも生まれます。
この繰り返しが続くと、作家であることそのものが、少しずつ遠のいていきます。
働くほど作れず、
作れないほど働く。
よく聞く場面と、わたしの感覚

作家の方からよく聞く場面があります。平日は朝から夕方まで働き、週末にまとめて描こうと決める。けれど週末になると疲れが出て、結局ほとんど進まない。
次の週も同じことが起きる。描けない自分を責めるうちに、作品に向かう気持ちまで弱っていく。
わたしはアート業界の外の人間です。それでも、この話を聞くたびに思うことがあります。本当にアートで生きていきたいなら、作家自身が本気にならないといけない。
厳しく聞こえるかもしれません。ただ、時間は誰かが空けてくれるものではありません。働く時間は決まっていても、作る時間を決めるのは、作家自身です。
「時間がない」と言うのは簡単です。けれど、その言葉の裏で、本当に後回しにしているのは何なのか。一度、正直に見つめてみてほしいのです。
そしてもう1つ、外から見て感じていることがあります。画商やギャラリーは数が限られ、見てもらえる作家の数も限られています。作品が収入につながる道が細いことも、働く時間を減らせない理由ではないでしょうか。
空くのを待たず、
先に予定に入れる。
数字で答え合わせ:作品が収入になる道は細い
「作品が収入につながる道が細い」という感覚を、数字で確かめます。
同じ報告書に、こんな数字があります。活動を始めてから報酬を得られるようになるまで、芸術家は平均9.9年かかっていました。
10年近く、作品だけでは暮らせない時期が続く。その間、生活のための仕事を減らせないのは、自然なことです。
この感覚は、当たりでした。作品が収入になるまでの道は長く、その間、作る時間はどうしても細っていきます。
反対に、作品が売れる道が少しでも増えれば、話は変わります。売上が少し増えるだけで、働く時間を1時間減らし、制作に回せるかもしれません。
売れる道が2本、3本と増えれば、どれか1本が細っても、収入はすぐには途切れません。安心できる分だけ、働き方を考え直す余裕も生まれます。
その1時間で作品が1点増えれば、見てもらう機会も1つ増えます。時間と売れる道は、片方だけでは増えていきません。
作家が本気で時間をつくり、作品が売れる道も増やす。その両方がそろったとき、働く時間と作る時間の割合は、少しずつ入れ替わっていきます。
時間を守ることと、
道を増やすことは一つ。
7ARTSで、一緒にできること

先に、正直にお伝えします。この悩みに、7ARTSはまだ答えを持っていません。働き方や暮らし方は作家ごとに違い、制作の時間を生み出す仕組みは、7ARTSにはないからです。
7arts.jpの作家ページに作品を載せておけば、あなたが働いている間も、作品は見てもらえます。ただ、それは時間そのものを生む答えではありません。
そのうえで、作家が今日からできることがあります。1つは、1週間の時間の使い方を書き出すこと。もう1つは、作る時間を先に予定に入れてしまうことです。
作る時間を先に決めることは、誰かに代わってもらえることではありません。その一手が、作家としての時間を守る最初の一歩です。
同じように働きながら制作を続ける作家仲間に、時間の使い方を聞くことも助けになります。お金や税金の計画は、税理士など専門家に相談してください。
時間の悩みに、ひとつの正解はありません。作家自身の工夫と、周りの人の力を合わせて、少しずつ向き合っていってください。
1時間を守る人から、
作家は続いていく。
今日、ひとつだけやってみてください

今週、何に何時間使ったかを、ざっくり書き出してみてください。仕事、移動、家事、連絡、SNS。
書き出してみると、思っていたより細かな時間が多いことに気づくはずです。15分の空きが4つあれば、合わせて1時間になります。
その中から、作る時間に回せる1時間を、1つだけ見つけます。朝の30分を2回でもかまいません。
見つけた1時間は、予定表に先に書き込んでください。空いたら描くのではなく、描く時間を先に決めた人から、作品は進みます。
1時間で完成しなくてもかまいません。毎週同じ時間に作品の前に座る。その積み重ねが、作家としての時間を取り戻していきます。
最初の1週間は、守れなくてもかまいません。守れなかった理由を書き添えて、次の週の予定を組み直してください。
作品と新しい人が出会う場所を、一緒につくりませんか。7ARTSに作家として登録する
出典
- 芸術家の働き方:公益社団法人日本芸能実演家団体協議会(芸団協)「芸術家のセーフティネットの構築に関する調査研究報告書」(2026年3月)



