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作家の悩み百選 No.030

今から始めても、遅いのか

「年齢的に今から始めても遅いのでは…」。作品を選ぶ人は何を見ているのかを、数字と外から見てきた感覚で確かめます。

日の差すアトリエで、イーゼルの花の作品に筆を入れる人の後ろ姿

こんな迷いはありませんか

「年齢的に今から始めても遅いのでは…」

若い作家が、次々と名前を知られていく。公募の入選者の年齢を見ては、自分との差を数えてしまう。

子育てや仕事がひと段落して、ようやく本気で描ける時間ができた。それなのに、一歩を踏み出せずにいる。

始めるなら、もっと若いうちに始めるべきだった。そう考えるほど、今日という日が遠回りに思えてきます。

作家の方からは、年齢を気にする声を、若い方からも、年を重ねた方からも聞きます。迷いの形は、どの年代でもよく似ています。

年齢を数えて立ち止まっている間にも、描きたいものは胸の中にたまっていきます。形にしないまま、それを手放してしまうのは惜しいことです。

ここで、ひとつ考えてみてください。作品を選ぶ人は、作家の年齢を見て買うでしょうか。

年齢は、
始めない理由になりやすい。

あなたは、年齢を理由に、何かをあきらめかけていませんか。

迷っているうちに、どうなるか

年齢の話を、少し違う角度から見てみます。作品を買う側の年齢です。

75歳以上の人は、2025年に約2,180万人になりました。団塊の世代が、全員75歳以上になったのです。

外から見ていると、これまでアートを買ってきたのは、年齢の高い方が多かったように見えます。百貨店や画廊に通う方々です。その世代は、この先少しずつ減っていきます。

つまり、迷っている間にも、売り方の前提が動いています。今までの買い手だけを待っていると、始めるのが早くても遅くても、届く人は減っていきます。

一方で、これからの買い手になりうる人は、まだたくさんいます。その人たちに届けるとき、作家の年齢は本当に関係あるでしょうか。

作家が何歳から始めると活躍しやすいのか。調べましたが、全国の調査は見つかりませんでした。数字が無いので、ここでは作りません。

確かなのは、迷っている1年は、何も積み上がらない1年だということです。1年後に同じ悩みを抱えているほうが、ずっともったいないのではないでしょうか。

迷う1年は、
何も残してくれない。

外から見てきた、わたしの感覚

明るい白いギャラリーで、色あざやかな作品の前に立ち止まる人の後ろ姿
50歳を過ぎて、作品と出会った(イメージ)

わたしは、50歳を過ぎて初めてアートを買いました。それまで、アートとはほとんど縁のない暮らしでした。

実物の作品の前に立ったとき、アートの力を思い知らされました。一目惚れで、その場で買うと決めていました。

あとから、なぜ買ったのかを自分に問いかけました。そして思ったのは、ここまで出会わなかったのは、もったいない人生だったということです。

そして今、わたしは7ARTSで、新しい販路と新しい市場をひらこうとしています。50歳を過ぎてからでも、始められることはあるのです。

同時に、一般の人はアートに出会う場が少なすぎるとも感じました。わたしのように、出会っていないだけの人が、まだたくさんいるはずです。

始めた年齢よりも、始めたあとにどこまで打ち込めるか。作家の方にも、同じことが言えるのかもしれません。

遅いかどうかより、
本気かどうか。

数字で答え合わせ:年齢を気にしているのは、誰か

では、年齢を気にしているのは誰なのでしょうか。芸団協が2025年に、芸術家へ聞いた調査で確かめます。

10年後に続けていないかもと思う理由のグラフ。年齢76.6%、体力54.7%、収入の低さ・不安定さ31.3%

10年後に続けていないかもしれない、と思う理由を聞いています。

いちばん多いのは「年齢」の76.6%でした。次が「体力」の54.7%です。

理由の中に、「作家が若いから」という項目はありません。買う人が見ているのは、作家の年齢ではなく作品そのものです。

年齢を壁だと感じているのは、作品を選ぶ人より、作家自身なのかもしれません。「作品を選ぶ人は、作家の年齢を見ていない」という感覚は、一部当たりです。作家が年齢を気にしていることは確かめられました。ただ、選ぶ人が年齢を見ているかどうかは、数字では分かりません。

それなら、あなたが生きてきた時間は、弱みではありません。子育ての日々、仕事で見てきた景色、失ったものと出会ったもの。経験の数だけ、描けるものがあります。

年を重ねた作家の作品には、その人にしか出せない落ち着きや、温かさが宿ることがあります。それを好む人も、きっとどこかにいます。

若いころには描けなかったものが、今なら描ける。そう感じたことがあるなら、それが今から始める理由になります。

今日始めれば、1年後には1年分の作品が手元にあります。その作品を、誰かの部屋に届ける準備が、そこから始まります。

重ねた年月は、
作品の深さになる。

7ARTSで、一緒にできること

窓辺の明るいアトリエ。木の机にスケッチブックと筆、白い壁に描き上げた色あざやかな作品
今日から、1点ずつ形にする(イメージ)

先に、正直にお伝えします。この悩みに、7ARTSはまだ答えを持っていません。始めるかどうか、いつ始めるかは、作家にしか決められないからです。

そのうえで、作家が今日からできることがあります。年齢を気にする前に、今の自分が描けるものを、1点ずつ形にしていくことです。

体力や健康に不安があるなら、無理のない制作の時間を決めてください。気になることは、かかりつけの医師に相談を。長く続けるためには、体が何よりの道具です。

公募の年齢の決まりなど、応募の条件が気になることもあるでしょう。そのときは、募集を出している団体の要項を確かめてください。分からない点は、主催者に問い合わせるのが確実です。

始めると決めたなら、作品を見てもらう場所づくりは一緒に考えられます。7arts.jpの作家ごとのページは、作品を載せれば、サイトから購入やオファーが届く場所です。

作家として名乗るのに、資格は要りません。名乗るかどうかを決めるのは、今日のあなたです。

最初の1点を形にするのは、あなたです。そこから先の道のりを、一緒に歩きましょう。

始めると決めた日が、
あなたの出発点になる。

今日、ひとつだけやってみてください

今日、作家がやることの流れの表。本気で始めるなら最初にすることを1つ書く、今週のやる日を決める、できた作品を1点見てもらえる場所に載せる
今日、作家がやること

「もし今日から本気で始めるなら、最初に何をするか」を、1つだけ書き出してみてください。

次に、それを今週のどの日にやるかを決めて、手帳やカレンダーに書き込んでください。決めた日が、迷いを行動に変えてくれます。

最後に、できあがった作品を1点、人に見てもらえる場所に載せてみてください。自分のページでも、知り合いへの紹介でもかまいません。

書き出した1つが小さくても、気にしないでください。踏み出した人と、迷っている人の差は、1か月後にははっきり見えてきます。

年齢は、変えられません。けれど、始める日は自分で選べます。今週の1日が、遅くない証拠になります。

作品と新しい人が出会う場所を、一緒につくりませんか。7ARTSに作家として登録する

出典

  • 75歳以上の人数:厚生労働省の資料(2025年の推計)
  • 芸術家の働き方:公益社団法人日本芸能実演家団体協議会(芸団協)「芸術家のセーフティネットの構築に関する調査研究報告書」(2026年3月)