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作家の悩み百選 No.018

会社やお店と、つながるには

「法人や企業とつながる手段がない」。会社やお店が作品を選ぶときに何が要るのかを、飾った姿という見せ方から考えます。

明るい会社の受付の白い壁に、色のある作品が飾られている

こんな悩みはありませんか

「法人や企業とつながる手段がない」

会社の受付や、ホテルのロビー、お店の壁。自分の作品が飾られたら映えそうな場所は、いくつも思い浮かぶ。

けれど、どこの誰に、どう声をかければいいのか分からない。知り合いもいなければ、紹介してくれる人もいない。

ここで、ひとつ考えてみてください。会社やお店の人は、あなたの作品を飾った姿を想像できているでしょうか。

作品だけを見せられても、自分たちの壁に合うかどうかは、なかなか判断できません。決める側にも、迷う理由があるのです。

お店の人にとって、壁に飾る物を選ぶのは、お客さんを迎える空間を選ぶことです。だからこそ、慎重になるのは自然なことです。

飾った姿が見えなければ、
会社も決められない。

あなたは、作品が合いそうな会社やお店を、1軒でも思い浮かべられますか。

入口が見えないままだと、どうなるか

会社やお店の壁が、作品と出会う場所になる。その意味を、まず数字で見てみます。

文化庁の調査で、自宅から1時間30分以内に行ける施設を聞いています。美術館に行けると答えた人は47.1%でした。

半分以上の人は、美術館に気軽に行ける所に住んでいないことになります。地方であれば、なおさらです。

では、会社やお店がどれくらい作品を買っているのか。調べましたが、全国の調査は見つかりませんでした。数字が無いので、ここでは作りません。

会社やお店の壁は、毎日たくさんの人が目にする場所です。そこに作品が飾られれば、アートを目当てに来たのではない人にも、作品が届きます。

作品を飾りたい会社があっても、作家の名前を知らなければ、声のかけようがありません。入口が見えないのは、相手も同じなのです。

入口が見つからないまま待っていると、作品が似合う壁があっても、別の物で埋まっていきます。壁は、作品が来るのを待ってはくれません。

似合う壁は、
待っている間に埋まっていく。

外から見てきた、わたしの感覚

明るいホテルのロビーの白い壁に、大きな色彩の作品が飾られている
飾った姿が見えると、空間の変化が伝わる(イメージ)

わたしはアート業界の外から来た人間です。外から見ていて、ずっと不思議に思っていたことがあります。

アパレルは、洋服だけを撮った写真で売っていません。モデルが着て、かっこいい姿を撮ります。それに憧れて、服が欲しくなるのです。

ところがアート業界は、作品だけを展示して売ってきました。それでは、飾ったあとの姿が伝わらない。これが、わたしの感覚です。

玄関に飾った姿、カフェに飾った姿、ホテルのロビーに飾った姿。それを見るからこそ、この絵を飾りたいと思うのではないでしょうか。

会社やお店の人なら、なおさらです。自分たちの空間に合うかどうかが、いちばんの判断材料になるはずです。

ホテルや病院の待合室には、毎日たくさんの人が出入りします。そこで作品と出会う人の中に、昔のわたしのような人がいるかもしれません。

飾った姿を見せることは、作品を安く見せることではありません。作品の良さを、相手の暮らしの言葉に置きかえることです。

見せ方を工夫し、買う方のことを考えて表現しているか。作家にも、そこに気づいてほしいと思っています。

服はモデルが着て売る。
作品は、飾った姿で伝える。

数字で答え合わせ:ふだんの場所に、文化が足りない

この感覚を、数字で確かめます。同じ文化庁の調査で、住んでいる地域の文化的な環境に満足していない人に、理由を聞いています。

いちばん多かったのは「魅力的な活動・イベントがない」の54.0%でした。「近くに文化施設がない」も27.5%あります。

文化に触れる場所が、ふだんの暮らしの近くに足りない。そう感じている人が多いのです。

会社のロビーやお店の壁に、作品が1点ある。それだけで、そこは毎日通う人にとって、いちばん近い文化の場になります。

「会社やお店の壁は、作品と出会う場所になれる」という感覚は、一部当たりです。ふだんの場所に文化が足りないと感じる人が多いことは、数字で確かめられました。ただ、企業がアートを選ぶ数までは、この数字では分かりません。

飾った姿を見せられれば、会社の人も社内で説明しやすくなります。「ロビーがこう変わります」と1枚で伝われば、話は前に進みます。

会社の人が作品を選ぶときは、1人で決められないことも多いはずです。上の人や仲間に、写真1枚で見せられるかどうかが分かれ目になります。

飾った姿があれば、作家の側も「この作品はこの壁に」と自信を持って提案できます。

1枚の飾った姿が、
会社の中で話を進める。

7ARTSで、一緒にできること

明るいカフェの木の壁に作品が飾られ、窓から昼の光が差し込んでいる
お店の壁が、作品の居場所になる(イメージ)

先に、正直にお伝えします。この悩みに、7ARTSが答えられるのは一部です。

会社やお店とのご縁を、7ARTSが約束することはできません。どこに声をかけるかは、作家が自分で切りひらくところです。

そのうえで、作品をお店や会社に飾った姿を見せる仕組みがあります(解決策1 飾ってみて)。

飾った姿が1枚あれば、会社への提案もしやすくなります。言葉で長く説明するより、早く伝わります。

7arts.jpには、作家ごとのページがあります。作品を載せておけば、見た人からサイトを通して購入やオファーが届きます。

オファーは9種類あり、作家が「受けられる」と選んだものだけが届きます。受けたくない依頼に、振り回されずに済みます。

会社と契約を結ぶときは、条件をよく確かめてください。契約書の読み方に不安があれば、弁護士など専門家に相談しましょう。

値段に迷うときは、値段の目安を出す道具も参考にできます。

飾った姿は一緒につくる。
声をかけるのは、あなたから。

今日、ひとつだけやってみてください

今日、作家がやることの流れの表。似合いそうな会社やお店を1軒書く、どの壁にどの作品を飾るか決める、お店の人に伝える一言を書く
今日、作家がやること

あなたの作品が似合いそうな会社やお店を、1軒だけ書き出してみてください。よく行くカフェや、近所の病院でもかまいません。

次に、その場所のどの壁に、どの作品を飾るかを決めます。飾った姿を、絵や写真で思い描いてみてください。

最後に、お店の人に伝える一言を書きます。「この壁に、この作品が合うと思いました」。

1軒目で断られても、作品の価値が下がるわけではありません。2軒目、3軒目と、合う場所を探していきましょう。

具体的な1軒と1枚が決まれば、声はかけやすくなります。

作品と新しい人が出会う場所を、一緒につくりませんか。7ARTSに作家として登録する

出典

  • 鑑賞の状況:文化庁「文化に関する世論調査」報告書(2024年3月・全国18歳以上24,996人)