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作家の悩み百選 No.076

「うちでは扱えない」と言われたら

「画廊に『うちでは扱えない』と言われた」。断られた理由を数字で見て、止まらずに進むための一歩を一緒に考えます。

明るい木の床の画廊で、白い壁に掛けられた作品を見上げる人の後ろ姿

こんな経験はありませんか

「画廊に『うちでは扱えない』と言われた」

勇気を出して、作品の写真を持って画廊を訪ねた。返ってきたのは、短い一言だった。

帰り道、何がいけなかったのかを考え続ける。作品なのか、自分なのか、答えは分からない。

断られた一言は、思った以上に長く心に残ります。次の作品を描いていても、あの言葉がふと頭をよぎる。

それ以来、別の画廊に声をかける気持ちになれない。そんな作家の方は、少なくありません。

ここで、ひとつ考えてみてください。「扱えない」は、「作品に価値がない」と同じ意味でしょうか。

画廊には、それぞれ得意な分野や、決まったお客さんがいます。合う・合わないがあるのは、自然なことです。

断られたのは、
作品の価値ではない。

あなたは、あの一言を、作品への評価だと受け取っていませんか。

一言で止まってしまうと、どうなるか

画廊やギャラリーに断られる作家が、どれくらいいるのか。調べた全国の調査は、見つかりませんでした。

ただ、どの画廊にも、扱える作家の数には限りがあります。

断られる作家が出るのは、ある意味で自然なことです。画廊の方針や、すでに扱う作家との組み合わせもあります。

声をかけられる画廊の数は、住む場所によっても変わります。

画廊にとっても、新しい作家を迎える余裕を持ちにくい時期なのかもしれません。「扱えない」には、作品の良し悪しとは別の理由が含まれていることもあります。

1回断られて止まってしまうと、作品はその日から外に出なくなります。限られた入口の前で、立ち止まったままになるのです。

画廊が悪いわけではありません。どの画廊も、自分のお客さんに合う作品を選んでいるだけです。

画廊の事情を知らないまま、自分を責め続けるのは、もったいないことです。

入口は限られている。
だから、止まらない。

外から見てきた、わたしの感覚

明るい画廊の入口から、白い壁に並ぶ作品が見える
画廊の扉の向こうに並ぶ作品(イメージ)

わたしはアート業界の外から来た人間です。だからこそ、見えたことがあります。

画廊や画商の数は限られていて、見られる作家の数も限られています。全員が頼れる入口ではないのです。

これまで作品は、画廊や画商に売ってもらうのが当たり前でした。高い値段で売れたのは、画廊にお客さんがいるからです。

ただ、その売り方では、お客さんは画廊につき、作家にはつきにくい。だから、作家が自分のお客さんを持つことが欠かせないと考えています。

画廊は敵ではありません。新しい作家を見つけて紹介するなど、一緒に業界を盛り上げられる相手です。

作家も、画廊も、買う人も、みんなが喜べる形が一番です。わたしの仕事の考え方も、そこにあります。

そのうえで、画廊の扉が開くのを待つだけでなく、自分で売れる場所をもう1つ持っておく。それが、断られた日にも止まらない形です。

新しい売り方は、最初は「そんな売り方で大丈夫か」と受け入れにくく見えるかもしれません。それでも、その売り方で十分に作品は届くと、わたしは考えています。

扉が1つ閉じても、
別の扉はつくれる。

数字で答え合わせ:断られても、誇りは残る

では、断られた作家は、自分の仕事をどう感じているのでしょうか。芸団協が2025年に、芸術家へ聞いた調査があります。

「仕事に誇りを持っている」と答えた人は95.8%でした。

断られることがあっても、ほとんどの作家は誇りを手放していません。「全員は頼れない」という感覚は、一部当たりです。断られる数そのものは、数字では確かめられませんでした。

1軒に断られても、作品の価値が決まったわけではありません。ほかの画廊や、画廊の外にも、作品の居場所はあります。

「うちでは扱えない」は、「あなたの作品はだめだ」という意味ではありません。その画廊の棚に、今は空きがないというだけのことも多いのです。言葉の意味を取り違えずに、次の一通を準備しましょう。

つまり、画廊に扱ってもらえなくても、作品が選ばれる道は残っています。必要なのは、買う人の目に触れる場所です。

自分の売り場で選ばれる作品が増えれば、それが次の画廊への声かけの材料にもなります。どんな人が、どの作品を選んだか。それは作家の大きな財産です。

画廊の扉が閉じた日にも、作品を選ぶ人の目は開いています。その目に届く場所を持っているかどうかで、断られた日の重さは変わります。

画廊の答えと、
買う人の答えは、別にある。

7ARTSで、一緒にできること

明るいリビングの白い壁に飾られた作品を、ソファから眺める人の後ろ姿
選ばれた作品が、暮らしの中に飾られる(イメージ)

先に、正直にお伝えします。この悩みに、7ARTSが答えられるのは一部です。

7ARTSは、画廊の代わりに作品を評価したり、画廊との取り扱いを決めたりはできません。断られた理由を確かめるのも、作家自身の仕事です。

そのうえで、買う人の目に触れる場所を、一緒につくることはできます。

7arts.jpには、作家ごとのページがあります。作品を載せておけば、見た人から購入やオファーが届きます。オファーは9種類あり、作家が「受けられる」と選んだものだけが届きます。

作品を部屋やお店に飾った姿を見せる仕組みもあります(解決策1 飾ってみて)。

飾った姿が見えれば、買う人は自分の暮らしに作品を重ねて考えられます。画廊の壁でなくても、作品の魅力は伝えられるのです。

値段に迷うときは、値段の目安を出す道具も使えます。

断られた作品こそ、まず自分のページに並べてみましょう。そこで選ばれた事実が、次に画廊を訪ねるときの支えになります。

閉じた扉の前より、
開いた場所に作品を。

今日、ひとつだけやってみてください

今日、作家がやることの流れの表。断られた画廊が扱う作品を調べる、断られた作品を自分のページに並べる、見た人の反応を記録する
今日、作家がやること

断られた画廊が、ふだんどんな作品を扱っているか、調べてみてください。画廊のサイトや過去の展示を見れば、得意な分野が分かります。

調べてみると、その画廊が扱う作品と、あなたの作品の合う所・合わない所が見えてきます。次に声をかける画廊を選ぶ手がかりにもなります。

次に、断られた作品を、自分のページに並べます。説明の一言と、飾ってほしい場所を添えましょう。

最後に、見た人の反応を、1か月ほど記録してみてください。どの作品に問い合わせが来たかを、書き留めるだけでかまいません。

断られた日は、作品の終わりではなく、次の売り場を見つける始まりです。

作品と新しい人が出会う場所を、一緒につくりませんか。7ARTSに作家として登録する

出典

  • 芸術家の働き方:公益社団法人日本芸能実演家団体協議会(芸団協)「芸術家のセーフティネットの構築に関する調査研究報告書」(2026年3月)