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作家の悩み百選 No.092

作品が本物だと、どう証明する

「作品が本物だと、証明するものがない」。買う人の安心のために作家ができることと、7ARTSの作品証明書についてまとめます。

明るい木の机の上に、描き上げた作品と白い書類が置かれている

こんな不安はありませんか

「作品が本物だと、証明するものがない」

買いたいと言ってくれた人に、「これは本物ですか」と聞かれた。もちろん自分が描いた作品だけれど、それを示す書類は何もない。

サインはある。それでも、何年か先に作品が別の人の手に渡ったとき、本物だと伝えられるのか不安になる。

作品を見て心が動いても、迷いが顔を出します。本当にこの作家の作品なのか。あとで背景が分からなくならないか。

ここで、ひとつ考えてみてください。買う人が安心して選べる材料を、作品と一緒に渡せていますか。

買う人にとって、作品は大切なお金を払って迎えるものです。迷いが残れば、買う手は止まります。

作品の力は目で伝わる。
安心は形で伝える。

作品に自信があるほど、「見れば分かる」と思いがちです。けれど、初めて作品を買う人には、目に見える手がかりが必要です。

あなたは、作品の確かさを、言葉以外で示せますか。

証明するものが無いと、どうなるか

作品証明書を付けて売っている作家が何%いるか。全国の調査は見つかりませんでした。数字が無いので、ここでは作りません。

ただ、初めて作品を買う人にとって、作品は分からないことだらけです。

初めて買う人ほど、「これで大丈夫かな」と迷うはずです。

買ったことがない人にとって、作品の値段は小さくありません。本物かどうか、作家が誰か。確かめる手がかりが無ければ、ためらうのは自然なことです。

何年か先に、作品が次の持ち主へ渡るときも同じです。作家の名前と作品を結ぶ書類が無ければ、作品の背景は伝わりにくくなります。

作家と直接会わずに、サイトで作品を見て決める人もいます。その人にとって、作品の確かさを示すものは大きな支えです。

確かさを示せないままだと、せっかく作品に惹かれた人が、最後の一歩で立ち止まってしまいます。

それは、作品の力が足りないからではありません。安心の材料が、作品の横に置かれていなかっただけなのです。

証明するものが無いと、作家も「本物です」と口で言うしかありません。言葉だけで信じてもらうのは、思いのほか難しいものです。

最後の一歩は、
安心がないと踏み出せない。

外から見てきた、わたしの感覚

明るいギャラリーで、作品の前に立ち、じっと見つめる人の後ろ姿
初めての1点を選ぶ時間(イメージ)

わたしは、50歳を過ぎて初めてアートを買いました。本物の作品の前に立ったとき、原画の力を思い知らされ、一目惚れで買うと決めました。

なぜ買ったのか、あとから何度も自分に問いかけました。それまで、アートとはほとんど縁のない暮らしだったからです。

たどり着いた答えは、原画の力でした。本物の作品だけが持つ力に、心を動かされたのです。だからこそ、その作品が本物であると示せることは、買う人の安心につながると感じています。

外から見てきて思うのは、一般の人にも、欲しいと思えば買えるお金はあるということです。

とても高い作品は無理でも、一般的な価格の作品なら、買える人はたくさんいます。こちらの市場のほうが、圧倒的に大きいのではないかと感じています。

そして、作家のみなさんに気づいてほしいことがあります。見せ方を工夫し、心を込めて、買う方のことを考えて表現しているか、ということです。

ここからは、一般的な話です。初めて作品を買う人にとっては、作品の確かさが形で分かることも、安心の材料になります。

初めて買う人の背中を、
そっと押せるか。

答え合わせ:手元に残る物は、背中を押すか

この感覚を、数字で確かめようとしました。

けれど、作品証明書があると、買う人の迷いがどれくらい減るのか。それを調べた全国の調査には、たどり着けませんでした。

特別な収集家だけでなく、暮らしの中で作品を楽しみたい人が買っています。記念や贈り物として、誰かに手渡すために買う人もいます。

「欲しいと思えば買える人は、たくさんいる」という感覚も、今回は確かめられませんでした。いくらなら買うかを測った数字が無いからです。

それでも、作品と一緒に確かな記録を手渡すことは、迷っている人の背中をそっと押してくれるはずです。

暮らしのために初めて作品を買う人には、安心の材料が欠かせません。確かさを示す書類が添えられていれば、贈る相手にも作品の確かさを伝えられます。

証明するものがそろった作品は、何年たっても、作家の名前とともに大切にされていきます。

初めての1点を安心して迎えた人は、2点目を考えるときも、同じ作家を思い出すかもしれません。

確かさが添えられた作品は、
迎えやすくなる。

7ARTSで、一緒にできること

明るいダイニングの白い壁に飾られた作品と、テーブルの上の封筒
確かさと一緒に、作品を迎える(イメージ)

7ARTSには、作品証明書があります。作品に証明書を添えて渡せば、作品の確かな記録が残ります。

初めて作品を買う人にとって、確かな記録が残ることは、安心の手がかりの一つになります。何年か先に作品が次の人へ渡るときも、記録があれば確かめられます。

7arts.jpには、作家ごとのページがあります。作品を載せておけば、作家の名前と作品が並んで見られます。買う前に作家のページを確かめられることも、安心につながります。

買う前に、作品を部屋に飾った姿を確かめられる仕組みもあります(解決策1 飾ってみて)。

ただ、証明書は、作品の力を代わりに語るものではありません。どんな思いで作ったのかを伝えるのは、作家自身の言葉です。

証明書と一緒に、作品への思いを一言添えてください。確かさと思いの両方がそろってこそ、買う人の心は決まります。

証明書は一緒に。
作品への思いは、あなたから。

今日、ひとつだけやってみてください

今日、作家がやることの流れの表。証明書を付けたい作品を1点選ぶ、作品への思いを一言書く、証明書と一緒に渡す
今日、作家がやること

次に手渡す予定の作品から、1点を選んでみてください。

その作品について、どんな思いで作ったのかを、一言で書いてみます。誰に、どんな場所で見てほしいかでもかまいません。

そして、その作品を渡すときは、証明書と一言を一緒に添えると決めてください。確かさと思いがそろえば、買う人は安心して作品を迎えられます。

1点で慣れたら、これから手渡すすべての作品に広げていきましょう。

渡したあとは、どの作品に証明書を付けたかを、手元の記録にも残しておくと安心です。

証明書を添えた作品が増えるほど、あなたの作品を安心して迎える人も増えていきます。

作品と新しい人が出会う場所を、一緒につくりませんか。7ARTSに作家として登録する

出典

  • 作品を買ったことがある人の割合(約16%):「日本のアート産業に関する市場調査2018」一般社団法人アート東京・一般社団法人芸術と創造(2019年3月4日発表・約2万人を対象)
  • 買った理由:「日本のアート産業に関する市場調査2021」一般社団法人アート東京・一般社団法人芸術と創造(文化庁委託事業)