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作家の悩み百選 No.059

画面の先に、原画の居場所を

「イラストは画面で見られて終わり。原画の居場所がない」。画面で好きになった人が、原画と出会える道を考えます。

明るい木の机の上に、色あざやかな手描きのイラスト原画と画材が並んでいる

こんなもったいなさを感じていませんか

「イラストは画面で見られて終わり。原画の居場所がない」

SNSに載せたイラストには、反応が付く。けれど、それは画面の上で数秒見られるだけ。指が動けば、次の投稿に流れていきます。

手で描いた原画は、引き出しやファイルの中で眠ったままです。画面では伝わらない筆の跡や、紙の質感があるのに、それを見てくれる人はいません。

ここで、ひとつ考えてみてください。あなたのイラストを好きな人は、原画を手元に置きたいと思わないでしょうか。

画面で好きになった絵を、本物で見たい。部屋に飾りたい。そう願う人がいても、原画の居場所が無ければ、その願いはかないません。

イラストは、見てもらう力ではほかの作品に負けません。足りないのは、画面の外で原画と出会える場所のほうです。

画面で好きになった絵を、
本物で見たい人がいる。

あなたの引き出しの中にも、まだ誰にも見られていない原画はありませんか。

画面の上だけで終わると、どうなるか

画面の上のイラストを、部屋に飾りたいと思う人はいるはずです。

作品は、本来、部屋に飾られて、暮らしの中で毎日見られる物です。

画面の上のイラストは、見ることはできても、部屋に飾ることはできません。飾りたいと思った人がいても、手に入れる道がなければ、そこで終わってしまいます。

イラストの原画がどれくらい売られているかを、全国でまとめた調査は見つかりませんでした。数字が無いので、ここでは作りません。

反応がいくら増えても、原画が引き出しの中にあるうちは、イラストは画面で見られて終わりです。描いた人の手元にも、形として何も残りません。

同じ絵が、画面の上ではたくさんの人に見られ、紙の上では誰にも見られていない。この差が、原画の居場所の無さです。

原画は、描いた人にとっても大切な一枚です。その一枚が、誰にも見られないまま色あせていくのは、とても惜しいことです。

画面では見られても、
原画は誰にも見られていない。

外から見てきた、わたしの感覚

明るい白い壁の部屋で、額に入った色あざやかな手描きのイラスト原画を見つめる人の後ろ姿
本物の前で、心をつかまれる(イメージ)

わたしは、50歳を過ぎて初めてアートを買いました。そのとき感じたのは、原画の力でした。

実物の前に立ったとき、アートの力を思い知らされました。一目惚れで、その場で買うと決めたのです。

イラストの原画も、同じ原画です。画面の上で何度も見た絵でも、原画を前にすると、まったく別の出会いになるはずです。

一方で、一般の人は、アートに出会う場所が少なすぎます。作家の友人がいるか、アートの世界にいる人でなければ、原画に触れる機会はほとんどありません。

イラストは、画面を通してすでにたくさんの人に届いています。その人たちに、原画と出会う場所を用意できたらどうでしょう。

画面で何度も見てくれた人ほど、本物の前に立ったときの驚きは大きいはずです。その驚きが、原画を手元に置きたいという気持ちに変わります。

画面で好きになった人が、本物の前に立つ。それは、作家にとっても、見る人にとってもうれしい出会いになるはずです。

画面は入口。
本当の出会いは、原画の前で。

答え合わせ:原画を待つ人は、いるか

この感覚を、数字で確かめようとしました。

けれど、画面でイラストを楽しむ人のうち、原画を手に入れたいと思う人がどれくらいいるのか。それを調べた全国の調査には、たどり着けませんでした。

絵が好きでも、原画を買うという経験を、まだしていない人は多いはずです。原画がどこで買えるのかを、知らないだけかもしれません。

「一般の人は、原画に出会う場所が少ない」という感覚は、今回は確かめられませんでした。ただ、わたし自身、原画の前に立つまで、その力を知りませんでした。

原画の居場所があれば、画面で好きになった人が、そこへたどり着けます。投稿を見た人が、ページを開き、原画を部屋に迎える。そんな流れが生まれます。

一度原画を迎えた人は、次の絵が描かれるのを楽しみに待ってくれます。画面の向こうの見る人が、原画を持つ人に変わっていきます。

画面の反応は、原画に出会ってくれる人の数に変わっていきます。引き出しの中の原画が、誰かの部屋の壁で、毎日眺められる一枚になります。

反応の数を、
原画と出会う人の数へ。

7ARTSで、一緒にできること

明るい子ども部屋の白い壁に、額に入った色あざやかなイラスト原画が飾られ、木の机と椅子がある
原画が、誰かの部屋に居場所を見つける(イメージ)

7ARTSは、画面の外に、原画の居場所を作家のみなさんと一緒につくっています。

7arts.jpには、作家ごとのページがあります。原画を載せておけば、サイトから購入やオファーが届きます。

オファーは9種類あり、作家が「受けられる」と選んだものだけが届きます。

原画を部屋やお店に飾った姿を見せる仕組みもあります。画面の絵が、暮らしの中でどう見えるかが伝わります(解決策1 飾ってみて)。

作品証明書で、作品の確かな記録も残ります。

原画は、世界に一枚だけです。その一枚を、どんな部屋に迎えてほしいかを考えて、紹介してみてください。

画面では伝わらない大きさや紙の色も、ページに説明を添えれば伝えられます。縦と横の大きさ、紙の種類、使った画材。短く書き添えるだけで十分です。

サイトは5か国語で表示できます。日本で制作を続けながら、海外の人にも作品を見てもらえます(解決策2 外国語表示)。

ただ、SNSで出会った人をページへ案内するのは、作家自身です。投稿のたびに「原画はこちら」と一言添えてみてください。その一言から、画面の外の居場所づくりを一緒に始めましょう。

引き出しの中から、
誰かの部屋の壁へ。

今日、ひとつだけやってみてください

今日、作家がやることの流れの表。反応の多かった絵の原画を探す、その原画を作家ページに載せる、投稿に原画の場所を一言添える
今日、作家がやること

まず、これまでSNSで反応の多かったイラストを思い出し、その原画を探してみてください。

次に、その原画を明るい場所で撮り、作家ページに載せてみてください。紙の質感や筆の跡が伝わるように、近くから撮った一枚も添えると効果的です。

最後に、次の投稿に「この絵の原画は、こちらで見られます」と一言添えてみてください。画面の外に道ができた日から、原画は居場所を持ち始めます。

全部の原画を一度に載せる必要はありません。反応の多かった1枚から始めれば、見た人の声を聞きながら、少しずつ増やしていけます。

反応してくれた人の中に、原画を待っていた人がいるかもしれません。その人に、道を示してあげてください。

作品と新しい人が出会う場所を、一緒につくりませんか。7ARTSに作家として登録する

出典

  • 買った理由:「日本のアート産業に関する市場調査2021」一般社団法人アート東京・一般社団法人芸術と創造(文化庁委託事業)
  • 作品を買ったことがある人の割合(約16%):「日本のアート産業に関する市場調査2018」一般社団法人アート東京・一般社団法人芸術と創造(2019年3月4日発表・約2万人を対象)