
こんな迷いはありませんか
「写真に写った人や建物の、許可の取り方が分からない」
街で撮った1枚に、知らない人の横顔が写っていた。気に入った作品なのに、展示に出していいのか分からない。
建物やお店の看板が写った写真も、同じように迷う。誰に、どう聞けばいいのかも分からないまま、作品は保存のフォルダに眠っていく。
ほかの作家が似た写真を発表しているのを見ると、自分だけが気にしすぎなのかと、迷いは深まります。
ここで、ひとつ考えてみてください。迷ったまま出せずにいる写真は、何枚ありますか。
許可のことは、写真の作家にとって避けて通れない問題です。分からないまま発表して、あとで困るのも避けたいところです。
迷ったまま眠る作品を、
減らしていく。
迷いが積み重なると、撮ることそのものに慎重になりすぎてしまいます。人のいない風景ばかりを選ぶようになり、本当に撮りたい場面から遠ざかっていきます。
あなたは、迷った写真をそのままにしていませんか。
迷ったままだと、どうなるか
写真の許可で迷っている作家が何%いるか。全国の調査は見つかりませんでした。数字が無いので、ここでは作りません。
ただ、写真を撮ることが、とても身近になっていることは確かめられます。
総務省の調査で、2021年に写真の撮影・プリントを趣味でした人は21.9%でした。5人に1人が、写真を撮って楽しんでいます。
作品は、見てもらえなければ選ばれません。迷ったまま発表しなければ、その写真が誰かの部屋に飾られる日も来ません。
買う人は、作品の前で心が動いたときに選びます。その出会いは、作品が人の目に触れて初めて生まれます。
一方で、確かめずに発表すると、思わぬ問題になることがあります。相手は、写っている人や建物の持ち主です。せっかくの作品が、展示から外れることにもなりかねません。
迷ったまま止まっても、確かめずに進んでも、作品のためになりません。
写真の作家にとって、人や街の表情は、何よりの題材です。それを避けて撮り続ければ、作品の幅そのものが狭まってしまいます。
必要なのは、迷った写真を1枚ずつ確かめる手順を持つことです。手順があれば、迷いは「調べれば分かること」に変わります。
止まるのでも急ぐのでもなく、
確かめる。
作家の方からよく聞く場面

ここでお話しするのは、写真の作家の方からよく聞く場面です。
旅先で撮った市場の写真。人の表情がいちばん生きている1枚なのに、写っている人に連絡のしようがない。
古い町並みの写真を展示に出そうとして、建物の持ち主に聞くべきか迷う。結局、無難な写真ばかりを選んでしまう。
無難な写真だけを並べた展示は、作家自身にとっても物足りないものです。
わたしは業界の外から来た人間です。外から見ていて、ずっと思っていることがあります。売れていない作家にも、本当に素敵な作品をつくる人がたくさんいます。
その作品が、まだ新しい市場に届いていません。迷って出せずにいる写真の中にも、そういう1枚があるかもしれません。
そして、本当にアートで生きていきたいなら、作家自身が本気にならないとだめだ、とも伝えたいのです。
ここからは、一般的な話です。確かめる手順を知れば、迷いで眠らせていた写真の中から、出せる作品が見つかることもあります。写っている人や建物の扱いを確かめることは、作品を外へ出すための大切な準備です。
いちばん生きている1枚を、
眠らせない。
答え合わせ:許可を確かめた作品は、届くか
この感覚を、数字で確かめようとしました。
けれど、写真の作品がどれくらい求められているのか。それを調べた全国の調査には、たどり着けませんでした。
「素敵な作品が、まだ新しい市場に届いていない」という感覚は、今回は確かめられませんでした。誰もが写真を撮る時代です。だからこそ、許可を確かめて発表する作家の作品は、信頼されるはずです。
出せる作品を1枚でも増やす意味は、大きいはずです。
確かめる手順ができれば、迷っていた写真のうち、出せる物は自信を持って出せます。出せない物も、理由が分かれば、次の撮影で気をつけられます。
撮る前に声をかける、撮ったあとに了承をもらう。そうした習慣が身につけば、迷う写真そのものが減っていきます。
了承をもらった記録があれば、展示の会場や買う人に聞かれたときも、落ち着いて答えられます。作品への信頼も、そこから生まれます。
確かめた作品は、
胸を張って出せる。
7ARTSで、一緒にできること

先に、正直にお伝えします。この悩みに、7ARTSはまだ答えを持っていません。写真の許可を確かめたり、代わりに取ったりする仕組みは、7ARTSにはありません。
ここからは、一般的な考え方だけをお伝えします。人の顔がはっきり分かる写真は、発表の前に慎重になりたい場面があります。建物やお店の名前が分かる写真も、同じです。
作家が今日からできることは3つです。迷っている写真を集めて、何が写っているかを書き出すこと。撮るときに声をかけられる場面なら、その場で了承をもらうこと。
そして、了承をもらったら、日付と一緒に記録しておくことです。
了承は、口で聞いただけでなく、短い文でもいいので形に残しておくと安心です。
撮影の前に分かっている場所なら、建物の持ち主や管理する人に、前もって問い合わせることもできます。
どこまでが許されるかは、写っているものや使い方によって変わります。判断がつかないときは、肖像権や著作権に詳しい弁護士に相談してください。
展示の会場の担当者に、その会場での決まりを聞いてみるのも1つの方法です。
迷いを書き出せば、
聞くべき相手が見えてくる。
今日、ひとつだけやってみてください

迷って止めている写真を、まず1か所に集めてみてください。
1枚ずつ、写っているものを書き出します。人の顔、建物、お店の名前。何に迷っているのかが、はっきりしてきます。
最後に、それぞれ誰に聞けばよいかを書き添えてください。写っている人、建物の持ち主、専門家。迷いの中身が分かれば、作品を出せる日は近づきます。
全部を一度に片付けなくてかまいません。今月は1枚、来月はもう1枚。確かめた写真が増えるほど、発表できる作品も増えていきます。
作品と新しい人が出会う場所を、一緒につくりませんか。7ARTSに作家として登録する
出典
- 美術鑑賞の行動者率:総務省統計局「令和3年社会生活基本調査 生活行動に関する結果」(2022年8月)



